WebサイトやSNSで使用する際の最適な画像ファイル形式とは?
WebサイトやSNSの普及により、画像をネット上にアップロードし、掲載する場面が増えています。その際、掲載する媒体や用途によってさまざまな画像の「ファイル形式」が存在することをご存じでしょうか。画像のファイル形式にはそれぞれ特徴があり、適した形式のものを選ぶことでより画像を鮮明に見せたり、ファイルの管理や転送が効率化したりといったメリットが得られます。
今回の記事では、画像のファイル形式の特徴とともに、シーン別の適した画像ファイルを解説します。
主に5つの画像ファイル形式を紹介
画像のファイル形式はさまざまなものがあります。今回は代表的なJPEG・PNG・GIF・WebP・SVGの5種類の画像ファイル形式の特徴を解説します。
JPEG・JPG(ジェイペグ)
特徴
「JPEG または JPG」(本稿ではJPEGと記載します)はデジタル画像の代表的なファイル形式です。JPEGファイルは比較的小さいサイズを維持しながらも、1,680万色の表示を可能としています。そのため、カメラなどで撮影した写真や、Web公開用の画像に向いているファイル形式です。
メリット
JPEGの画像ファイルはファイルサイズが小さいため、短時間で転送できる、オンライン上でのアクセススピードが速くすぐに表示できる、保存の際に容量の負担になりにくいのがメリットです。
またJPEGファイルは画像ファイルの中でももっとも一般的な形式のため、ほとんどのブラウザー、ソフトウェア、アプリケーションで利用できます。メールで送付された画像をシェアしたいとき、カメラで撮影した画像をSNSに投稿したいときなど、異なるブラウザやアプリケーション間で画像をやりとりしたいときにも向いています。
デメリット
JPEGファイルに「非可逆圧縮」を使用するとファイルサイズをより小さくでき、保存やアップロードスペースの節約に有効です。ただしJPEGファイルは、大幅に圧縮した場合、画質が低下してしまいます。特にエッジやラインがはっきりした画像は、圧縮によってシャープさが失われてしまい、画像が粗い、見づらいといった状態になってしまうため気をつけましょう。
PNG(ピング)
特徴
背景が透明または半透明のグラフィックを処理できる画像ファイルです。たとえばさまざまな背景の上に、自然に見えるようにPNGファイル形式のロゴファイルを重ねることもできます。デザイン性が高く使用にライセンスが不要なため、特にWebデザイナーがよく使用しているファイル形式です。
メリット
PNG画像は可逆圧縮を使用するため、圧縮時にデータが失われません。圧縮しても画質が下がることがないため、保存や転送使用時にも便利です。これは、非可逆圧縮をおこなうJPEGファイルと比べると、大きなメリットと言えるでしょう。
デメリット
圧縮時に元のデータがすべて保持されるため、PNGファイルのサイズは、通常、GIFやJPEGよりはるかに大きくなります。ファイルの保存には多くの容量が必要で、データ転送に時間がかかるためWebサイトでの表示スピードが遅くなるのがデメリットです。
GIF(ジフ)
特徴
グラフィックとロゴを表示するためにWeb上で一般的に使用されている画像ファイル形式です。画像やフレームを結合することで基本的なアニメーションを作成できるため、静止画と違い短時間の動く画像を表示できます。GIFをサポートしているプラットフォームも増加しているため、最近ではSNSやブログ記事等でもGIFの画像やアニメーションを良く見かけるようになりました。
メリット
GIFには色数制限があるため、比較的小さいファイルサイズが保たれます。そのため保存容量が少なくて済む、Webページでの読み込み速度が速いのがメリットです。可逆圧縮を採用しているため、圧縮時に画像品質が低下しないメリットもあります。短時間ながら精巧なアニメーションを作成できます。
デメリット
GIFファイル形式は、256色のパレットのみをサポートしています。そのため画像は解像度が低く、少しぼやけて見えることもあります。GIFのアニメーション画像は複数の画像を組み合わせて表現しているため、編集作業がやや複雑になることがあります。
WebP(ウェッピー)
特徴
WebPとは、Googleによって作成されたファイル形式です。Googleの「読み込みにかかる時間をインターネット全体で短縮したい」という目的から誕生しました。
WebPを使用すると、PNGやJPEGなどの従来の画像ファイル形式よりはるかに小さいサイズで、高品質の画像がWebサイトに表示されるようになります。基本的にオンラインアニメーションで主に使用されていたのはGIFでしたが、WebPもオンラインアニメーションで使用可能です。
メリット
WebPを使用すると、Webページが短時間で読み込まれるようになります。そのためユーザーエクスペリエンス(UX)が向上し、サイトに来るユーザー数が増加する、検索エンジンの検索ページのランキングが上がるなどのメリットが得られます。
Google Chrome、Microsoft Edge、Mozilla Firefox など幅広いWebブラウザに対応しているため、さまざまな環境で表示されます。Webサイトの画像が、管理しやすいサイズに圧縮されるのも魅力です。
デメリット
WebPファイル形式は、主にインターネット用として設計されています。そのため、オフラインで画像を使用する場合はファイル形式として適切でない場合があります。また幅広いWebブラウザに対応しているものの、Internet Explorerなどの一部の古いブラウザでは、WebP画像が効果的にサポートされない場合があります。
SVG(エスブイジー)
特徴
SVGファイル形式は、2次元のグラフィック、グラフ、イラストをwebサイトで表示する場合によく使用されるファイル形式です。
JPEGなどのほかの画像ファイルはピクセルベースで保存する「ラスターファイル」と呼ばれるファイル形式ですが、SVCはグリッド上の点と線にもとづいた数式を使用して保存する「ベクターファイル」というファイル形式です。そのためサイズを大幅に変更してもピクセルのように品質を損なうことがないため、ロゴや複雑なオンライングラフィックに最適なファイル形式と言えるでしょう。
メリット
SVCではあらゆるテキスト情報を、図形ではなく、そのままのテキストとして保存できます。これにより、Googleなどの検索エンジンがSVGグラフィックのキーワードを読み取ることができるため、Webサイトの検索ランキングを上げるために役立ちます。SVCファイルに保存したテキスト情報はテキストリーダで読み込めるため、Webページを読むために介助が必要な人々への情報提供にも活用できます。
デメリット
SVCはピクセルを使用していないベクターファイルのため、Webグラフィックの表示には適しているものの、高画質のデジタル写真の表示には適していません。またSVG画像をサポートできるのは、最新のブラウザのみです。古いブラウザでは表示されない場合があります。
SNSで推奨している画像ファイル形式
SNSでは各プラットフォームごとに推奨している画像ファイルが異なります。代表的なSNSである「X(旧Twitter)」「Instagram」「Facebook」の推奨している画像ファイル形式と、最新SNSである「Threads」について解説します。
X(旧Twitter)
PNG/JPEGを推奨。※アップロードされたGIF画像は静止画像として表示されます。
ファイルサイズ/最大5MB
JPEG/GIF/PNG
ファイルサイズ/最大4MB
PNG/JPEGを推奨。
ファイルサイズ/最大5MB
最新のSNS「Threads(スレッズ)」について
Threads(スレッズ)とは、FacebookやInstagramを運営するMeta社が2023年7月6日にリリースしたSNSアプリです。Instagramアカウントを使ってログインすることができ、ユーザー名や認証はThreadsにそのまま引き継がれます。また、Threads用にプロフィールをカスタマイズすることも可能です。
Threadsは最大500文字のテキストでの投稿ができるほか、リンク、写真、最長5分の動画も投稿可能です。Instagramの写真や動画で他人とコミュニケーションが取れる利点を生かしつつ、テキストでの共有も取り入れたSNSとなっています。
2023年8月現在、Threadsで利用できる画像ファイル形式は、写真ではJPEGとPNG、さらにWebP形式のアップロードが可能な事が判明しています。
Threadsはリリースされてまだ歴史の浅いSNSのため、以下のように今後さまざまな機能が追加される予定です。
- Threadsのアカウントを持っていなくても、互換性のあるアプリを使用していればThreads上で他の人をフォローしたり、交流したりできるようになる(あるいはその逆)
- 利用者が自分の興味関心に近い投稿やクリエイターを発見しやすくなる新機能を導入予定
- Threadsの利用をやめた後、自分のコンテンツを他のサービスに移行するオプションを提供予定
- フィードに表示するおすすめコンテンツを改善予定
- トピックやトレンドをリアルタイムでフォローできるような検索機能を追加予定
5つの画像ファイル形式のおすすめの用途とは?
5つの画像ファイル形式はそれぞれで特徴・メリット・デメリットがあり、適切な利用シーンが異なります。「どの画像ファイルを選んで保存していいか分からない」という方のために、5つの画像ファイル形式のおすすめ用途を順に解説します。
5つの画像ファイル形式の違いを表にまとめました
JPEG | PNG | GIF | WebP | SVG | |
---|---|---|---|---|---|
拡張子 | .jpg | .png | .gif | .webp | .svg |
色数 | 1,677万色 | 最大280兆色 | 256色 | 1,677万色 | 280兆色 |
圧縮 | 非可逆 | 可逆 | 可逆 | 可逆/非可逆 | 可逆 |
透過性 | 無 | 有 | 有 | 有 | 有 |
用途 | グラデーションがキレイに再現できるため、写真は色の境界線が緩やかなものが適している。 | 背景を透過したオブジェクや複雑な絵図に適している。 | アニメーションに対応している。 | Webサイトの表示スピードを上げたいときに適している。 | ロゴやアイコン、ベクター画像に適している。 |
写真画像の場合
写真画像の場合は「JPEG」がおすすめです。JPEGはデジタル画像の代表的なファイル形式となっています。比較的小さいサイズを維持しながら、1,680万色の表示が可能です。そのため写真撮影の画像にJPEGを使うとほとんどのブラウザで画質に変化なく表示できます。また、ページで画像を読み込む時間も短縮できるため、Web公開する画像にも適しています。
イラストの場合
イラストを画像ファイルとして保存する場合は、「SVG」がおすすめです。SVCはベクターファイルであるため、品質を損なわずに大幅なサイズ変更ができます。さまざまなサイズといろいろな場所で表示する必要のあるWebサイトのロゴやイラスト、ボタンやアイコンなどに向いています。
また、SVGファイル内のXMLのテキストは検索エンジンやテキストリーダで読み込めるため、検索エンジン最適化やWebサイト閲覧に介助が必要な方への情報を入れたいときにも適しています。
背景を透過させたい場合
背景を透過させたいときには「PNG」がおすすめです。透明な背景がサポートされているため、様々な背景の上に、自然に見えるようにロゴファイルを重ねられます。また可逆圧縮を使用しているため圧縮時に元のデータがすべて保持されます。重要な情報が失われることがないため、Webサイトの精細なグラフィックやチャートにも適しています。
アニメーションを使用したい場合
アニメーションを使用したいときには、「GIF」がおすすめです。GIFは音声なしの単純な画像とアニメーションを表示するために設計されているため、短時間で技術的なノウハウ不要でアニメーション動画を作成できます。作成に時間や手間がかからないため、SNSなどですばやく拡散させることも可能です。
SEO対策を考えた場合
SEO対策を考えているなら、「WebP」がおすすめです。WebPファイルは、Googleが「読み込みにかかる時間をインターネット全体で短縮する」という使命の一環として発表された画像ファイル形式です。画像ファイルサイズの小さいWebPを使用することでWebサイトの表示スピードが上がるため、ユーザーエクスペリエンスの向上による検索結果の上位表示にも役立ちます。
画像の軽量化や変換が簡単にできるおすすめツール「Squoosh(スクーシュ)」を紹介
Webサイトの表示スピードを上げるためには、画像ファイルを軽くする「軽量化」が求められます。画像の品質を低下させることなく軽量化するには、ツールの使用が有効です。
数ある画像の軽量化や変換ツールの中でも、おすすめするのが「Squoosh(スクーシュ)」です。
Squooshとは?メリットやデメリットを簡単に説明
「Squoosh」とはGoogleが開発した画像圧縮ウェブアプリです。2018年より無料で提供されています。Squooshはブラウザで変換結果を見ながら圧縮設定ができるので、画像圧縮の知識がない方でも簡単に利用できます。
また、ほかの画像圧縮アプリとは違いローカルで圧縮を行います。そのためセキュリティ面でも安心して使用できるのもメリットです。
圧縮だけでなく、WebPなどの各種フォーマットへの変換・リサイズといったこともできます。ただし、一括で複数の画像を圧縮変換できないデメリットがあります。一括で圧縮変換できないところはやや不便に感じるかもしれませんが、それ以外は無料で利用できることも考えると、優秀な圧縮アプリであると言えるでしょう。
まとめ
今回はWebサイトやSNSで使用する画像ファイル形式の特徴やメリット・デメリット、各SNSや用途に最適な画像ファイル形式を紹介しました。画像ファイル形式によって特徴が異なるため、適したものを選ぶことで「表示が早くなる」「ファイルの保管容量が少なくて済む」などのメリットが得られます。逆に適したファイル形式を選んでいないと「画像が粗くなる」などのデメリットが発生するため注意が必要です。
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