サイト制作・WEBコンサルティング

Webデザイナーが知っておくべきマーケティングの基本

Webデザイナーが知っておくべきマーケティングの基本

Webサイトの作成を担うWebデザイナーの仕事は、ただサイトをデザインし、納品するだけではありません。近年では、顧客の持つ課題を解決するためのWebサイト設計・制作が求められています。そのため、Webデザイナーにはデザインだけでなく、マーケティングの知識やスキルも必要です。

今回の記事では、Webデザイナーの方向けにマーケティングの基本やコンテンツマーケティングについて解説します。マーケティングの概念を取り入れた、クリエイティブ制作に関する事例についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

マーケティングの基本概念

マーケティングの基本概念

まず知っておくべきマーケティングの基本概念を説明します。

マーケティングとは

マーケティングとは商品やサービスを消費者に届ける際に、価値を最大化するための活動・施策のことです。まず市場調査で消費者の解決したい悩みやニーズを把握し、ターゲット市場を選定して適切な商品を開発します。価格設定や広告・プロモーションで商品の認知度を高め、流通経路を通じて消費者に届けます。消費者の悩み解決やニーズを充足できる商品を届けることで、企業は消費者の満足度を高めることができ、売上とブランド価値を向上できるでしょう。

マーケティングの4P (Product, Price, Place, Promotion)

効果的なマーケティング戦略を立てるための基本要素が「マーケティングの4P」です。4Pとは、以下の4つの要素を指します。

  • Product(製品)
  • Price(価格)
  • Place(流通)
  • Promotion(プロモーション)

Productは製品・商品戦略です。ターゲットに対して提供する商品やサービスについて、売れるための他社との差別化などのコンセプトづくりを行います。

Priceは価格戦略です。ターゲットに商品やサービスをいくらで届けるのか、価格帯の設定戦略を行います。

Placeは流通戦略です。ターゲットに商品やサービスを届ける経路や手段を検討します。たとえば実店舗、卸、通販、ECサイトのように、最適な流通経路を考えます。

Promotionは販促戦略です。ターゲットへ商品の存在や特徴、魅力を知らせるための広告、広報、ホームページ、SNS、キャンペーンなどの販売促進施策を実行します。

消費者のニーズと行動を理解する

消費者のニーズと行動を理解する

マーケティングでは、消費者に価値のある商品やサービスを提供するための顧客理解が必要です。消費者のニーズと行動を理解するために、マーケティングリサーチを行います。

ペルソナの作成

ペルソナとは、「自社の商品やサービスを利用する具体的な人物像」のことです。ペルソナ設定を行うことで、顧客をより深く理解でき、顧客目線でのマーケティング戦略の立案に繋がります。また、ペルソナを設けることで、マーケティングの関係者間で同じ顧客像を共有することにもつながります。

ペルソナは以下の具体的な項目を決めて設定していきます。

  • 年齢
  • 性別
  • 職業・業種・役職・年収
  • 家族構成・人間関係
  • 興味・関心
  • 価値観
  • 目標・情報の収集方法

ユーザーリサーチ

消費者のニーズや行動を理解する方法に、「ユーザーリサーチ(マーケティングリサーチ)」があります。ユーザーリサーチでは消費者の意見や行動といった定量的な情報を、以下のような方法から分析し、商品に対するイメージや感想を可視化する方法です。

  • 今まで蓄積した販売データから分析
  • 購買量や購入頻度、購入金額、購入した商品などの消費者パネルデータから分析
  • アンケートなどの消費者意識調査

ユーザーリサーチで得た情報を活かすことで、より消費者のニーズや行動に沿った商品を提供できるようになります。

ブランドの一貫性

ブランドの一貫性

Webマーケティングの要素として重要なのがブランドの一貫性(ブランディング)です。ブランディングは、消費者へ企業や商品への信頼と認知度を高めるために不可欠な施策となります。

ブランドアイデンティティ

ブランディングは、消費者が最初に目にする企業の印象です。たとえば実店舗で使われているロゴと、ECサイトで使用しているロゴの色やフォントが違う場合、消費者は不信感を得てブランドイメージが下がってしまう恐れがあります。ブランドのロゴ、カラー、フォントといった視野的な要素は一貫して同じものを使用することが重要です。

トーン&マナー

視野的な要素だけでなく、Webサイトやコンテンツで使用する言葉やトーンを統一することもブランディングでは必須です。言葉やトーンを統一するには、実店舗からECサイトまで、すべてのマーケティングで一貫性を意識したテキスト作りを意識するのはもちろん、マーケティングに関わるすべてのメンバーへのブランドに関するトレーニングを実施したり、デジタル資産管理ソフトウェアを活用したりといった方法があります。

SEOの基本概念

SEOの基本概念

SEOとは、検索エンジン最適化のことです。Googleなどの検索エンジンのアルゴリズムを理解した施策をWebサイトで行うことで、検索エンジンでの検索結果ページで上位表示されるようになります。検索エンジンからの流入は新規の消費者の発掘や商品の幅広い認知につながるため、SEO対策はマーケティングに置いて必須の施策と言えます。

キーワードリサーチ

SEO対策として、まず消費者が多く検索しているキーワードを特定するために、キーワードリサーチを行います。キーワードリサーチには、Google Keyword Plannerや他のツールを使用しましょう。キーワードを特定することで、現在のWebサイトの順位を知ったり、Webサイトのコンテンツを作成したりする上で有効です。

オンページSEO

キーワードを決めたら、実際にWebサイト・ページ上にキーワードを使った施策を行います。キーワードは以下の場所に効果的に配置しましょう。

  • タイトルタグ
  • メタディスクリプション
  • 見出しタグ(H1、H2)
  • ALT属性

キーワードをただ配置するだけでなく、Webサイトやページの各箇所の最適化を行うのも重要です。たとえばタイトルはキーワードを前側に入れて長すぎないものにする、見出しタグは見出し同士の関連性と階層を合わせる、などです。

コンテンツの最適化

Webサイトやページでは、高品質でユーザーに価値のあるコンテンツを作成し、定期的に更新します。コンテンツには設定したキーワードを自然に含めるようにしましょう。ユーザーリサーチで踏まえたユーザーの悩みやニーズを解決できる情報を、コンテンツで提供できるようにします。

コンテンツはテキスト中心のものを作りましょう。Googleなどの検索エンジンのクローラーは、テキストは読み込みできるものの、画像や動画などを読み込むのは不得意なためです。コンテンツは定期的に更新や改善を行って、運用していきます。

コンバージョン率最適化(CRO)

コンバージョン率最適化(CRO)

コンバージョン率最適化(CRO・Conversion Rate Optimization)は、コンバージョン率の増加や目標値に対する最適化を目的とした施策です。具体的には、Webサイトの訪問者を顧客にするための施策を指します。

コンバージョン率とは

コンバージョン率(CVR・Conversion Rate)とは、サイトの訪問者がコンバージョンを達成した率です。コンバージョンとはWebサイトやコンテンツの目標であり、以下のようなものがコンバージョンとして設定されます。

  • 広告ページのクリック
  • 資料請求
  • 問い合わせ
  • 資料のダウンロード など

CROの目的

CROは、現在のクリック数やコンバージョン達成のための費用は維持したまま、コンバージョン率を向上させる施策です。自社のWebサイトやページへ多くの訪問者が流入していても、コンバージョンが達成できていなければWebサイトやページを作成した意味がありません。そのため、コンバージョン率が低い場合は改善のためにCROの施策が必要です。

CROの手法

CROの手法にはさまざまなものがあり、代表的なものが以下の3つです。

  • A/Bテスト
  • ランディングページの最適化
  • ユーザビリティの向上

それぞれの具体的な手法について解説します。

A/Bテスト

A/Bテストとは、異なるバージョンのWebページを作成し、ランダムでユーザーに表示することで高いコンバージョン率を達成するかを比較する手法です。たとえば以下のような要素を変更したふたつ以上のWebページを作成して、コンバージョン率を比較することでもっとも効果的なWebデザインを決定することができます。

  • ボタンの配置
  • ボタンの色
  • サイトのレイアウト
  • サイトのフォント など

A/Bテストの結果を踏まえて、Webサイトやページを改善してコンバージョン率の向上につなげます。

ランディングページの最適化

ランディングページ(LP)とは、訪問者がはじめに目にするページです。ランディングページはWebページの第一印象を決めるため、訪問者の興味や関心を引き付けるために、ランディングページを改善します。

ランディングページの最適化の施策には、以下のようなものがあります。

  • キャッチコピーの見直し
  • 動画や画像を使った説得力のあるビジュアルの追加
  • 説得性のあるユーザーレビューの掲載 など

ユーザビリティの向上

ユーザビリティの向上とは、訪問者目線でのサイトの使いやすさを向上させ、ユーザーが目的の行動を取りやすくするための施策です。ユーザビリティの向上の施策には、以下のものがあります。

  • ナビゲーションのシンプル化
  • モバイル対応
  • ページ読み込み速度の改善
  • CTAの位置の見直し
  • テキストの見直し
  • 内部リンクの設定

ユーザビリティを向上させることで、訪問者に対してゴールまでの道筋を適切に設定できます。ユーザーが途中で離脱することを減らして、コンバージョン率の向上も期待できます。

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングは、Webサイトやページにて消費者へ価値のある情報を提供することで、顧客との関係を構築するための戦略です。

コンテンツの役割

コンテンツは、商品やブランドの認知、顧客エンゲージメントを高めるための役割を持っています。訪問者にとって有益で魅力的なコンテンツは、訪問者の悩みや課題の解決策や、価値のある情報を提供できるため、訪問者の信頼と関心をひいたり、ブランドに対してポジティブな印象を与えたりすることができます。訪問者は商品やブランドに対して親しみや好意を感じて、再度サイトへ訪問したり、購買意欲が高まったりといった顧客エンゲージメントの向上につながります。

コンテンツには、以下のようなものがあります。

  • ブログ記事
  • 動画
  • インフォグラフィック
  • SNS など

コンテンツ戦略

効果的なコンテンツ戦略を作るには、まずターゲットとなる人々を理解し、ターゲットの興味関心をひける内容を考えます。次に、コンテンツを通じて何を達成したいのか具体的な目標(コンバージョン)を決め、コンバージョンを達成するための計画を立てましょう。

コンテンツによって特徴が異なるため、目的に応じたものを選ぶのがおすすめです。たとえばブログ記事は、ターゲットへ役立つ情報を提供し、検索結果で上位に表示されるのに役立ちます。動画は、テキストよりもわかりやすく情報を伝えたり、ブランドのストーリーを提示したりするのに有効です。SNSは、多くの人に届くことで情報の拡散が期待でき、リアルタイムで交流できます。

コンテンツ戦略は、複数のコンテンツを組み合わせて、多方面からアプローチすることで成果につなげられるでしょう。

データ分析と改善

データ分析と改善

マーケティングは施策をただ実行するのではなく、施策の分析や改善を行って運用することで、成果につなげられます。データ分析と改善は、マーケティング戦略の効果を最大化するために不可欠です。

データの重要性

Webサイトのデザインやマーケティングの成果を評価ために、データ分析が必要です。Webサイトや施策から収集したデータから得られる訪問者の行動や反応を分析することで、どの施策が効果的なのか明確になります。分析によって戦略の改善やリソースの最適化につながり、マーケティングの成果を最大化することができるでしょう。

Google Analyticsの活用する

データの分析と改善にはツールを活用します。代表的なツールが「Google Analytics」です。Google Analyticsを使用すると、以下のようなデータをリアルタイムで確認できます。

  • ウェブサイトの訪問者行動やパフォーマンスといった
  • トラフィックのソース
  • ページ閲覧数
  • 滞在時間
  • コンバージョン率 など

データからは、サイトの強みや課題を把握できます。データの分析結果により、効果的なマーケティング戦略の立案やコンテンツの最適化が可能となるでしょう。

オニオン新聞社のクリエイティブ制作における考え方

オニオン新聞社のクリエイティブ制作における考え方

オニオン新聞社では、ブランドの視覚的なアピールやコンテンツの品質向上に焦点を当て、ビジネスやマーケティング目標を達成するための最適なクリエイティブをご提案しています。Webサイトを徹底分析し、コンバージョンにつなげるためのWebサイトのユーザビリティ改善やデザイン改善を行ってきました。

オニオン新聞社のクリエイティブが手掛けた、ふたつのWebサイトの事例を紹介します。

実績例:ぼくらのクリニック

ぼくらのクリニック」は、千葉県を拠点とした患者さまにご満足いただける脱毛だけを考え、都度払いのみの料金体系で安心と透明性を提供している医療脱毛クリニックです。オニオン新聞社では、Webサイトのリニューアルを行いました。キャンペーン情報などはわかりやすくトップに画像として配置することで、訪問者の興味や関心をひくデザインとしています。はじめて医療脱毛を検討している方の悩みや疑問解決となるコンテンツも幅広く提供しています。

実績例:海洋実業

海洋実業」は、各企業の事業所、生産工場などから発生する規格外プラスチック等を、選別・粉砕・リペレットなどの再生加工を行い、国内及び海外のプラスチック成型業者に販売するプラスチックのリサイクル事業を展開している企業です。取り扱い製品や企業の概要など、訪問者の知りたい情報へスムーズにたどりつけるナビゲーションバーを設置しました。問い合わせリンクはほかと異なる配色で、分かりやすくしています。

オニオン新聞社はこのようなスキルアップを目指すデザイナーを募集しています

Webデザイナー向けのWebマーケティングの基本知識について解説しました。WebデザイナーはWebサイトのコンバージョン率向上や集客、ブランディングなども実現できるWebサイトを作成することが求められています。今後Webデザイナーがマーケティングの基本知識を理解することで、より効果的でビジネスに貢献できるWebデザインの作成につなげられるでしょう。

これからWebデザイナーとして、Webマーケティングに貢献する人材を目指したいときには、オニオン新聞社のポジションがぴったりかもしれません。当社では、マーケティングを学び、スキルアップや次のステップが目指せるWebデザイナーを募集しています。詳細は当社の求人情報をご覧ください。応募をお待ちしています!

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