Shopifyとは?世界シェア最大級の評判から見る特徴や基本機能、メリット・デメリットを紹介します
時と場所を選ばず買い物できる、非対面非接触など多くのメリットからECニーズが高まり、企業や店舗、事業所のEC化は拡大傾向にあります。
ECサイトを構築できるプラットフォーム型ECサービスのひとつに、「Shopify」があります。ECサービスの中では世界シェア最大級の人気を誇るShopifyは、ほかのモール型・プラットフォーム型ECサービスにはない機能や特徴、メリットもあります。
この記事では、これからECサイトを立ち上げたい人のために、Shopifyの概要や特徴、機能、メリット、デメリット、他のECサービスとの比較、実際にShopifyを導入した企業のECサイト事例などを解説します。
Shopify(ショッピファイ)とは?
カナダ発のプラットフォーム型ECサービスである「Shopify」は、日本国内の企業や個人事業のEC化にも多く活用されている人気のサービスです、Shopifyの概要や、Shopifyが注目されている理由について解説します。
Shopifyの始め方や使い方についてはこちらの記事で解説しています。
【2023年最新版】Shopifyを利用したオンラインストアの始め方を徹底解説
世界シェア最大級のECプラットフォーム
Shopifyは、ECサイトの構築および運用ができるECサービスのひとつです。ECサイト立ち上げに必要なサーバーや機能などはすべてサービスに含まれているプラットフォーム型ECサービスのため、サイト開発やサーバー構築などの専門的な知識がなくてもECサイト運用が実現できるサービスとなっています。
ECサイトまたはページの構築および運用で著名なモール型ECサービスに、「Amazon」があります。
Shopifyはアメリカにおける販売事業者の運営するECサイトでの取引金額およびEC市場におけるシェアはAmazonに次ぐ規模を誇り、「アマゾンキラー」の異名を持つ世界最大級のプラットフォーム型ECサービスとなっています。
Shopifyってどんな会社?
Shopifyは、カナダ発祥のプラットフォーム型ECサービスです。
もともとスノーボードを販売するECサイトを立ち上げようとしたところ、ECサイト制作や運用のための手段や方法が提供されていなかったため、独自のECサイト制作や運用のソリューションを構築。それが現在Shopifyとして提供されているECサービスの元となっています。
かつて5人のみだったShopifyの構築メンバーは、2022年4月現在5,000人を超えるコミュニティとして成長。世界の数百万を超えるECビジネスのサポートを行っています。
また、将来における持続可能性を重視した経営や取り組みを行っているのも、Shopifyの特徴です。「Sustainability Fundとソーシャルインパクトイニシアティブ」に基づいた、再生可能エネルギーの使用と二酸化炭素排出の削減やオフセット、チームやマーチャントをサポートする製品の開発やプログラムを実施しています。
消費者のニーズの多様化やコロナ禍によってECサイトの需要は伸びたものの、Shopifyの成長は一過性のものでないのも特徴です。
アメリカだけでなく日本国内でも流通総額(GMV)は2019年比323%増、新規出店数の伸び率は前年比228%増と2020年は急成長を見せました。
2021年の業績見通しが具体的でないかつ弱いことから2020年通期決算後株価は一時大幅に下落しましたが、今後も大きな伸びが期待できるECサービスであると言えるでしょう。
Shopifyって何ができるの?何がすごいの?
Shopifyは、ECサイトの構築や運用のための機能がそろったプラットフォーム型のECサービスです。
Webサイトやページ制作、プログラミングの知識がなくても店舗や自社のECサイトを構築できます。Amazonなどのモール型ECサービスはECサイトのページレイアウトなども用意されたものを使うためカスタマイズ性はやや低くなる一方、Shopifyはテンプレートを使ってオリジナリティのあるECサイトを構築することも可能です。
ECサイト構築後、運用のための機能もShopifyは充実しています。ECサイトの決済や在庫管理、流入した顧客分析、SNSを使ったマーケティングなどの機能もそろっています。
次に、Shopifyの持つ特徴や基本的な機能をくわしく解説していきます。
Shopifyの特徴と基本機能について
Shopifyの持つ代表的な特徴や機能が以下の通りです。
- マルチチャネルコマースプラットフォーム
- ロケーション
- 様々な決済サービスに対応
- 越境ECへの対応
- テイクアウトとデリバリー機能
- Shopifyストア分析
- Shopifyアプリストア
- 100種類以上のECサイトテンプレート
それぞれの特徴や機能を解説していきます。
マルチチャネルコマースプラットフォーム
ECサイトをはじめ、ブログやSNSなどオンラインの商品・サービス販売チャネルを複数持つと、より多くの顧客との接点や販売機会が得られます。
一方、販売チャネルを複数構築する手間がかかる、複数の販売チャネルの商品や在庫、顧客管理などの運用が難しいなどの問題が発生してしまうでしょう。
Shopifyではさまざまな販売チャネルの構築および運用を1カ所で管理できる「マルチチャネルコマースプラットフォーム」を採用しています。
ECサイト、SNS、Googleなど、さまざまな販売チャネル上で商品の販売ができるだけでなく、Shopify上で複数の販売チャネルの一括管理が可能です。販売チャネルの追加や削除もかんたんにできます。
マルチチャネルコマースプラットフォームで構築できる販売チャネルは以下の通りです。
- オンラインストア…myshopify.comのドメインアドレスのECサイトでの販売
- Facebook…ストアのFacebookページのストアタブから直接商品を投稿して販売可能
- 購入ボタン… Shopifyチェックアウトに接続する購入ボタンの作成と埋め込み。Webサイトやブログで販売できる
- Instagram…Instagramの投稿にタグ付けをして商品販売ができる
- 卸売チャネル…商品を他のビジネスに卸売販売できる個別のストアフロント(Shopify Plusプランでのみ利用可能)
- Handshake…Handshake卸売マーケットプレイスに、ビジネスと卸売の商品を一覧表示できる
ロケーション
Shopifyのストア所在地以外から、フルフィルメント(注文受付、決済、検品、梱包、発送在庫管理、問い合わせ対応などのECサイトにおける一連の業務)ができる機能が「ロケーション」です。Shopifyのロケーションを活用することで、複数の拠点で在庫管理や発送などができます。
ロケーション業務は実際の拠点で行うか、アプリを通じて行えます。
とくに便利なのが、Shopify、Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングとプラットフォーム型とモール型をふくめた複数のECサイトを運用しているときです。ある店舗では在庫なし、ある店舗では在庫ありの場合でも、注文が入った時点で複数のロケーションから在庫の割り当てがされるようにShopifyが注文を分割するなどして調整します。
ロケーションの設定のほか、ロケーションの在庫割り当て、各ロケーションでのフルフィルメントの設定が可能です。使用できるロケーションの最大数は契約プランによって異なります。なお、Amazonや楽天などの外部ECサービスをロケーションとして設定する場合、外部サービスの連携や別途費用が必要です。
様々な決済サービスに対応
ECサイトは、利用する顧客やターゲットにマッチする決済サービスを提供することで、顧客満足度の向上につながります。Shopifyでは、様々な決済サービスに対応しているため、ECサイトのターゲットにマッチした決済サービスが選べます。
Shopifyに対応している決済サービスは以下の通りです。
- Shopifyペイメント
- Apple Pay
- Google Pay
- Shop Pay
- PayPal
- Amazon Pay(アマゾンペイ)
- KOMOJU
- 携帯キャリア決済
- Paidy
- GMOイプシロン
- SBペイメントサービス
- 2Checkout
- CyberSource
- BitPay
特筆すべきサービスが、Shopify独自の決済サービスである「Shopifyペイメント」およびソフトバンクが提供する「SBペイメントサービス」です。
Shopifyペイメントを有効化すると、すぐに主要なクレジットカード決済を利用できるようになります。PayPal(ペイパル)やAmazon Pay(アマゾンペイ)などの外部決済サービスとも連携しているため、ECサイトのターゲット層に合わせた決済方法を選べる魅力もあります。
さらに0.5%〜2.0%の取引手数料(プランによって異なる)や注文手数料がゼロになり、決済コストがブランドごとの手数料のみとなるのもメリットです。
Shopifyペイメントに付随した決済サービスなら、Shopifyペイメントの決済画面でアイコンにチェックを入れるだけで起動できます。
SBペイメントサービスを導入すると、QRコード決済PayPay(ペイペイ)でのオンライン決済に対応できます。PayPayモールでのロケーション連携をはじめ、PayPayによる決済ニーズを持つ顧客層も取り込めるのがメリットです。
PayPay決済のほか、ソフトバンクユーザーのキャリア決済、Webコンビニ決済、Pay-easy(ペイジー)決済も追加できます。
越境ECへの対応
新しい顧客層の発掘や、ターゲット層の拡大のために越境ECを展開する事業者や企業も多くなりました。越境ECとは、日本国内から海外向けに商品またはサービスを販売するECサイトを指します。
新規または既存のECサイトを越境ECサイトとして構築するには、ターゲットとする国の言語への翻訳や、取引通貨、配送への対応が必要です。Shopifyでは、越境ECへの対応ができる以下の機能やシステムが設置されています。
- 多言語と多通貨に対応
- 100種類以上の決済方法に対応
- 配送業務が簡単にできるようになる
- デザインのテンプレートが豊富
- 集客や分析のためのノウハウが豊富
- 直感的に操作できる
- アプリと連携している
Shopifyは50の言語と130ヶ国以上の通貨に対応しています。設定画面で翻訳を直接入力することも、既存のECサイトのページへ翻訳アプリを使って多言語のページにすることも可能です。通貨も自動でレート変換できます。
海外の決済方法として多く活用されているPayPalをはじめ、多くの決済方法に対応しています。決済方法を拡充することで、海外のターゲットのコンバージョンにつなげられるでしょう。
送料の設定、関税や税金の計算、送り状やインボイスの作成など、海外配送に関する業務もShopifyでは簡単にできます。デザインのテンプレートについては後程くわしく説明しますが、海外のトレンドを意識したデザインもテンプレートを使って簡単に作成可能です。
ほかにも、SEO対策や顧客の流入、行動分析ができる、直感的な操作ができるなど、越境ECを構築するうえで心強い機能がそろっています。
越境ECとは?始め方や注意点、メリット、市場規模など気になる点を徹底解説
テイクアウトとデリバリー機能
コロナ禍による外出自粛や非対面非接触などの影響で、テイクアウトやデリバリーのニーズが高くなりました。
Shopifyでは、テイクアウト機能を使うことでテイクアウトサービスを提供できます。また、デリバリーサービスと組み合わせることで、テイクアウト注文の入ったお客様にデリバリーで商品を届けることも可能です。
Shopifyでテイクアウト販売(お取り置きサービス)をはじめる方法
Shopifyストア分析
ECサイトは集客のためのマーケティング施策を行わないと集客やコンバージョンがのぞめません。集客のために必要となるのが、来客の行動や取引内容などのデータを収集、分析することです。
Shopifyでは、Shopifyストアの最近のアクティビティの確認や取引のレポート確認や、分析ができる「Shopifyストア分析」機能があります。
外部のツールを導入しなくても、マーケティングのためのさまざまなデータの収集、分析がShopifyで完結可能です。
- ストア分析ページ…主な販売、注文、オンラインストア訪問者のデータ表示
- 財務レポート(税金と支払いに関する情報を含む) …財務サマリーページ、売上財務レポート、支払い財務レポート、負債財務レポート、レポート内のギフトカードの金額などの表示
- 製品分析…過去90日間の商品のパフォーマンスに関する分析結果
- ライブビュー…ストアのアクティビティのリアルタイム表示
- 集客レポート…時間の経過、参照元、ロケーションそれぞれのストア訪問者の集客レポート表示
- 在庫レポート…在庫に関するレポートや1日に販売された在庫の数量と割合の追跡
- 行動レポート…顧客の行動に関するレポート表示
- マーケティングレポート…コンバージョンに起因する参照元、インタラクション、平均注文金額、注文などの参照
- 注文レポート…注文量、フルフィルメント、配送、配達、返品に関する分析レポート表示
- 売上レポート…時間の経過、商品別、チャネル別などを元にした顧客の注文に関するレポート表示
- POS売上レポート…商品、SKU、スタッフなどを元にした、顧客のPOS注文に関するレポート表示
- 利益レポート…費用、マージン、利益に関するレポート表示
- 顧客レポート…平均注文カウント、平均注文合計、予想購入金額など顧客の行動に関する詳細なレポート表示
- カスタムレポート…Shopifyの絞り込み機能と編集機能を使用し、デフォルトのレポートを変更してカスタムレポートを作成できる
Shopifyアプリストア
ShopifyでのECサイト構築や運用、機能追加、カスタマイズに役立つShopifyアプリについては、以下のアプリ紹介ページでくわしく解説しています。
EasyLockdown
EasyLockdownは、特定のコレクション、製品、ページ、ブログ等へのアクセスを、条件を指定した特定の顧客グループにのみに制限をすることが出来るアプリです。
【Shopifyアプリ】顧客グループ別にアクセス制限を管理できる『EasyLockdown』
Bonify Customer Account Fields
Bonify Customer Account Fieldsは、新規会員アカウント登録フォームの項目を、ストア独自のカスタム項目に変更して情報を取得する事が出来ます。選択項目にする事で、回答をそのまま顧客タグに自動付与する事も可能です。
また、会員自身もアカウント管理画面での情報の修正が可能です
新規会員登録時に自動で顧客タグ付けが可能なShopifyアプリ『Bonify Customer Account Fields』
Wholesale All In One
Wholesale All In Oneは、製品や顧客の特定のグループに対して、割引、会員限定卸売価格、段階的/ボリューム価格を作成出来ます。
卸売サイトを作りたい方におすすめするShopifyアプリ『Wholesale All In One』
100種類以上のECサイトテンプレート
ECサイトの構築やプログラミング、デザインの知識やスキルがなくてもオリジナリティあふれるECサイトを構築できるのが、Shopifyで用意されているECサイトテンプレートです。
100種類以上あるため、自サイトのテーマや取扱商品、サービス、ブランドイメージなどに合う機能やデザインのものを選べます。
ECサイトテンプレートは、テーマによって有料、無料のものがあります。さらに、日本語には対応していないテンプレートもあります。自サイトに合うテーマを選ぶのはもちろん、ランニングコストの有無や日本語非対応でも利用できるか、別途翻訳は必要かなどもかならず確認しましょう。
Shopifyの料金プランの紹介と選び方
Shopifyは、以下5つの料金プランが用意されています。
- ベーシック
- スタンダード
- プレミアム
- Shopify Plus
- Shopify Lite
スターター | ベーシック | スタンダード | プレミアム | Shopify Plus | |
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
月額費用 | $5 | $33 | $92 | $399 | $2,000~ |
日本のオンラインクレジットカード手数料 | 3.4% | 3.4% | 3.3% | 3.25% | ストア毎で確認 |
海外/Amexのオンラインクレジットカード手数料 | 3.9% | 3.9% | 3.85% | 3.8% | ストア毎で確認 |
スタッフ アカウント数 | 1 | 2 | 5 | 15 | 無制限 |
24時間体制 サポート (英語) | あり | あり | あり | あり | あり |
※2023年1月頃に月額費用の変更を行っており、ベーシックプランは$29から$33に、スタンダードプランは$79から$92になっています。ただし年間一括でのお支払いを行うことにより、月額換算すると旧価格帯を維持できるようになっています。(年間一括支払いの場合のみ、ベーシックプランは$29、スタンダードプランは$79、プレミアムプランは$299)
料金プランによって、利用できる機能、決済に関する手数料、月々の料金などが異なります。それぞれのプランの特徴とどんな人やシーンに向いているかについて解説します。
ベーシック
ベーシックプランは、ShopifyやECサイト立ち上げをはじめて行いたい人におすすめのプランです。
$33米ドル/月の料金でレポートと外部サービスの計算付き配送料、Eコマースオートメーション以外の基本機能および関税と輸入税、市場別カスタム価格設定以外の越境EC向け機能を利用できます。
スタンダード
スタンダードプランは、ECサイトの運用が軌道に乗ってきたときや、ストアの規模を拡大したいときにおすすめのプランです。ベーシックプランの機能に加えて、標準レポートが使用可能、登録スタッフ数が2から5に増えます。
ECサイトの集客のための分析やマーケティングのためにレポート参照ができるほか、運用スタッフが増加したときなども、スタンダードへの変更が向いています。
利用料金は$92米ドル/月です。
プレミアム
プレミアムプランは規模の大きいECサイトを運営しているときや、集客のためにより高度なデータ収集、分析をしたいときにおすすめのプランです。
スタッフアカウント数は15、在庫ロケーション数は最大8まで登録できるため、複数の販売チャネルやロケーションを展開しているときにも向いています。
外部サービスの計算済み配送料や、手動タスクを自動化できるEコマースオートメーション、海外向けサイトのための機能である関税と輸入税、市場別カスタム価格設定などの機能はプレミアムプランでのみ利用できます。
$399米ドル/月と利用料金はほかのプランよりも高めとなっていますが、Shopifyペイメントや決済手数料が下がります。
Shopify Plus
Shopify Plusは、Shopifyの各プランのなかでもっとも機能や規模が大きい、エンタープライズレベルのプランです。すでに法人レベルなどでEC事業を展開しているとき、規模の大きいECサイトを他サービスからShopifyへ移行したいときなどに向いています。
通常大規模なECサイトのプラットフォーム移行は12~18ヶ月かかりますが、Shopify Plusを利用すると90日以内に移行を完了できるのがメリットです。移行作業による機会損失を防ぎ、ECサイトビジネスを加速したいときに向いています。
スタータープラン
Shopify LiteはShopifyの料金プランのなかでもっとも安い、$5米ドル/月で利用できるプランです。ただし、ほかのプランと異なりECサイトの構築はできません。
既存のブログやWebサイトなどに、購入ボタンを追加することでECサイトとしての販売機能を持たせられます。レポートの確認やギフトカードの発行、分割請求などの機能は利用可能です。
ECサイトを構築するのではなく、個人ブログやSNS、既存のWebサイト内でスポット的にEC事業を展開したいときに向いています。
Shopifyのメリット・デメリット
ShopifyにはほかのECサービスと比較して多くのメリットが得られる一方、デメリットや注意点もあります。導入前にメリットやデメリット、注意点をふまえてECサイト構築や移行を検討しましょう。Shopifyのメリットや魅力、デメリットや注意点について解説します。
Shopifyのメリットと魅力
Shopifyのメリットや魅力を以下にまとめました。
- 低コストでECサイト運用ができる
- デザイン性の高いECサイトが構築できる
- SNS連携がしやすい
- 決済方法が豊富にある
- バックオフィス業務が効率化できる
ShopifyはECサイトの規模に応じて選べる豊富な料金プランが用意されています。スモールスタートをしたいときから、ECサイトの規模を拡大したいときまで適したプランを選べます。
毎月かかるコストをおさえられるだけでなく、販売手数料が無料になるShopifyペイメント、プランの月額利用料金に反比例する決済手数料など、ランニングコストをおさえられる料金体系となっているのもメリットです。
Shopifyは無料、有料ふくめてデザインテンプレートが豊富に用意されています。デザインなどの知識がなくても、デザイン性の高いECサイトの構築が可能です。部分的にHTMLやCSSでのカスタマイズができるため、オリジナリティのあるデザインを構築することもできます。
FacebookやInstagramなどのSNSと簡単に連携できるため、販売チャネルを複数展開できるのもShopifyのメリットです。決済手数料を低くおさえられるだけでなく、決済方法も豊富にあるため、ターゲットに合わせた決済方法を選べます。
最後に、在庫管理や配送などのバックオフィス業務を一括化できるため、ECサイト運用の業務を効率化したいときにも向いています。
Shopifyのデメリットと導入する上での注意点
Shopifyのデメリットや導入する上での注意点を以下にまとめました。
- 日本語非対応のマニュアルやアプリがある
- 集客のための施策が必要
- 詳細なカスタマイズは専門的な知識やスキルが必要
Shopifyはカナダ発のECサービスのため、日本語に対応していないマニュアルやアプリがあることに注意が必要です。
日本語のマニュアルやヘルプページは用意されているものの、詳細な情報は英語でのみ公開されている場合もあります。また、アプリやテンプレートによっては、日本語非対応のものもあるため、注意が必要です。
Shopifyだけでなくほかのプラットフォーム型ECサービスにもいえることですが、集約のための施策や詳細なカスタマイズには専門的な知識やスキルが必要となります。
Amazonや楽天などのモール型ECサービスは、モール側の知名度が高いためモール内でECサイトを開けばある程度の集客は見込めます。
一方Shopifyを含めたプラットフォーム型ECサービスでは、ECサイトを開設しただけでは集客は望めないためSEO対策や顧客の流入経路や行動などのデータを分析したうえでのマーケティング施策が必要です。
モール型ECサービスではECサイトやページのデザインは統一されるものの、簡単にECサイトを開設できます。Shopifyはテンプレートのカスタマイズ性が高いため、オリジナリティのあるサイトを構築したいときには、デザインやHTML、CSSなどの知識が必要となります。
Shopifyでのマーケティング施策やオリジナリティのあるECサイト構築で悩んでいるときには、制作会社への依頼も検討してみましょう。
他のECサービスとの比較
ECサイトを構築したいとき、Shopify以外のECサービスも選択肢に入ります。「どのECサービスを選んでいいか分からない」と悩んでいる人のために、ほかのECサービスとShopifyを比較しました。
ShopifyとBASE(ベイス)の比較
BASEは月商0~500万円レベルのECサイト構築に向いているプラットフォーム型ECサービスです。
料金プランは月額利用料0円からはじめられる「スタンダードプラン」2022年4月より新しく導入された月額5,980円の「グロースプラン」のふたつのみとなっています。プラン間で利用できる機能の制限などはありません。スタンダードプラン、グロースプランへの切り替えは管理画面からいつでもできます。
スタンダードプランは商品が売れた場合にのみサービス利用料3 %、決済手数料3.6 % + 40 円がかかります。グロースプランは月額固定費用を支払う代わりに、決済手数料2.9 %が固定となったプランです。
今までBASEは月商10万円単位やECサイト構築がはじめての初心者向けECサービスでした。グロースプランを導入したことで、月商17万円~、年商500万円単位までのECサイトもコストを抑えて運用できるようになっています。
ShopifyとSTORES(ストアーズ)の比較
STORESは、月額利用料金0円、商品が売れた場合のみ決済手数料が5%発生する「フリープラン」と、月額料金2,178円で決済手数料3.6%が発生する「スタンダードプラン」のふたつと、BASEと似た料金プラン体型となっています。
フリープランは不定期に商品を販売したいときや、商品販売数が少ないときに向いています。
スタンダードプランはある程度の売り上げが確保できるECサイトを運用しているときや、EC事業を効率化したいときなどにぴったりです。また、スタンダードプランは月ごとに支払うほか、6ヶ月、1年間とまとめて支払うと月額料金が割引になるまとめ払いにも対応しています。
Shopifyよりもバリエーションは劣りますが、カスタマイズもできるデザインテンプレートも用意されています。
ShopifyとMakeShop(メイクショップ)の比較
世界最大級のシェアをほこるShopifyに対して、日本のプラットフォーム型ECサービスにて流通額ナンバーワンをほこるのが、MakeShopです。
プランはひとつのみで、月額利用料11,000円ですべての機能を使えます。月額プラン料金で比較するとShopifyの方が安くなりますが、デフォルトで使用できる機能はMakeShopの方が多いです。ShopifyはSEO機能やカレンダー表示機能など欲しい機能はオプションでつけていくことになります。
Shopifyのようにアプリ機能はありませんが、カスタマイズ可能なテンプレート機能はついています。ある程度月額料金が定まっている中で充実した機能を利用してECサイトを構築したいときにはMakeShop、利用したい機能を料金との兼ね合いで厳選したり、アプリやテンプレートでECサイトをカスタマイズしたりしたいときには、Shopifyが向いているでしょう。
ShopifyとCOLOR ME(カラーミーショップ)の比較
COLOR MEは、ディスク容量、登録画像数、フリーページ数に応じてフリー、レギュラー、ラージの3つのプランが用意されています。
月額利用料0円決済手数料960円で、フリーページ10ページまでのフリープランは、とりあえずECサイトを立ち上げたいときに向いています。
Shopifyと同じく、ECサイトの規模や売上に応じてプランをアップグレードしていけるECサービスです。商品レビューやクーポン発行などの集客のための機能は、レギュラープラン以上から利用できます。
COLOR MEは登録後のサポートが受けられる開店サポートが充実しているのが特徴です。
他のECサービスからCOLOR MEへの引っ越し作業、デザイン制作などを別途依頼できる「お引越し・制作代行」のサービスも同時に展開しています。登録後、とにかく手間なくすべてをお任せしたいときにはCOLOR MEが向いているでしょう。
ShopifyとメルカリShops(ショップス)との比較
メルカリShopsは2021年10月からスタートしたばかりの新しいサービスです。フリマアプリである「メルカリ」が展開するECサービスで、月額の固定費用は無料、販売手数料10%のみが発生します。
最大のメリットが、販売している商品をメルカリに掲載できることです。集客のための施策を行わなくても、メルカリ内で集客が望めます。登録後、最短で3分ほどでECサイトを開けるため、特別な知識などがなくてもすぐに商品販売をスタートできます。
注文一覧や売り上げ明細のダウンロード、SNS連携などEC運用が効率化する機能もそろっている一方、ページデザインや機能などのカスタマイズはできません。すでにメルカリ内で出品経験がある人や、個人販売と法人販売のアカウントを分けたいときなどに向いています。
Shopifyの導入事例
Shopifyを活用して、EC事業を展開している企業や事業所、グループも多くあります。Shopifyを導入して作られたECサイトの事例を紹介します。
CHIBASAKE.COM(千葉酒ドットコム)
千葉県の28の酒蔵から厳選されたおいしいお酒を取り扱う「千葉酒ドットコム」では、千葉県ならではの日本酒やリキュール、清酒などが購入できるほか新規商品の企画なども行っています。
太陽工業オンライン展示場
ドームや空港などの天井に採用されている、膜天井の業界No.1企業「太陽工業」のオンライン展示場サイトです。感染防止や防災をテーマに、3DCGやARなどの技術を駆使した見ごたえのあるサイトに仕上がっています。
hanna(ハンナ)
竹中庭園緑化が運営する「hanna(ハンナ)」は、花とみどりの贈り物を取り扱うサイトです。お誕生日、記念日、母の日などの贈り物のほか、贈呈用のフラワーアレンジメントや花束、お供え用のお花など幅広い商品を販売しています。
Shopifyに関するまとめ
Shopifyの特徴や機能、プラン、メリットやデメリット、他のECサービスとの比較、Shopifyを導入して構築されたECサイトの事例を紹介しました。Shopifyは世界最大級のECサービスであり、機能やECサイトの規模に応じたプランが選べる、テンプレートやアプリが豊富でカスタマイズ性が高い、月額料金や決済手数料などのコストをおさえながら運用できるなど、多くのメリットがあります。
自由度の高いデザインや集客のための施策を多くできる一方、テンプレートのカスタマイズやアプリの選定や導入、SEO対策などの集約の施策のための知識やスキルが必要です。
ECサイトの売上が高くなり、Shopifyへの移行や導入を検討するときには、制作会社へのデザインや集客施策への依頼も検討すると、スムーズなEC展開につながります。ぜひオリジナリティあふれるECサイト作りや、EC事業の最大化のためにShopifyの導入を検討してみましょう。
チームNext!では、Shopifyを活用したECサイト制作に関するご相談を承っております。詳細については、下部のお問い合わせよりお気軽にご連絡くださいませ。